グッピー、受難
石切山は本物の熱帯魚を飼っている。"本物の"と断っているのは、教室のパソコンにもスクリーンセーバーとして「熱帯魚」を飼っているので、通ってくる生徒さんがパソコンの熱帯魚の話かと、間違ったらこまるからだ。
特別、熱帯魚に執心しているわけではなく、娘が小さい頃「犬か猫を飼いたい」と騒いだときに、飽きっぽい娘が簡単に世話できるは熱帯魚だし。なんせ投資額が少なくてすむので、安易にそちらに決めた。案の定というか、すぐに娘の興味は薄れて、石切山が世話することになったわけ。
最初は、ベタ類、テトラ類などを飼育していたのだけれど、娘の友達が「私の家のグッピーが増えすぎてこまっているので、少しもらってください」というので、20〜30匹ほど分けてもらった。
しかし、このグッピーの繁殖力が半端じゃない。先住の熱帯魚たちをアッという間に圧倒して、200匹以上の大所帯となった。
この繁殖力は恐怖だ。それで繁殖を押さえる作戦をたてた。グッピーは胎生なので生まれたてのグッピーは、すぐグッピーとして泳ぎだすが、他の大きな魚に食べられてしまうので、じょうずに水草の中に隠れながら、エサもじょうずに取っている。で、身を隠す水草を撤去し、エサも最低の量しか与えないことにした。効果があって徐々に繁殖力は減退していった。高齢化が進む日本のようである。しかし、石切山の作戦はナチスほど残虐ではないが、あまりほめられたことではないので、少々後ろめたい。
作戦開始してから1年半、グッピーは20匹以内になった。やった!もうすぐ全滅、悪魔のように密かに喜んだ。
先日、水槽を覗いたらなんと2匹になっていた。そんな馬鹿な!早すぎる!あとは死んだか?しかし水槽のどこにも死体は見えない。10匹以上のグッピーは忽然と姿を消した。
-続く-
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